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主婦のための Excel 入門講座

(Excelの計算式と関数の入力)

第3回 「IF関数」の入力方法

今回の主な内容 
1 IF関数とは
2 IF関数の書式
3 引数の意味
4 IF関数の入力方法
 (1) IF関数を探す
 (2) 数式パレットで論理式を入力
 (3) 「真の場合」「偽の場合」の引数の値を入力
 (4) 数式の複写



1 IF関数とは

Shun:今回は、「IF」関数について詳しく説明しよう。
 優子さん、「複雑な問題」というのはね、実は「単純な問題」が絡み合って全体がよく分からなくなっている状態をいうんだよ。問題を個別の要素に分解して判断していくと、実行できる条件を満たしているか、満たしていないかのどちらかに区別されるよね。つまり、条件を満たしていれば「Yes」、満たしていなければ「No」ということになる。

優子:そうよね、何かやろうとしても、いろいろな原因で実現できないときに、漠然と考えていてもしかたがないわね。お金がなくてできないのか、時間がなくてできないのか、物が無くてできないのか、原因を個々に分解して考えれば対策もでてくるものね。

Shun:そうだね。IF関数はね、複雑な条件を整理するための訓練にも役に立つよ。
Excelでは、条件を満たしている場合の「Yes」の代わりに「True(真)」を、条件を満たしていない場合の「No」の代わりに「False(偽)」という言葉を使って、一つひとつの条件を判断しているから、問題を単純化して考えるにはもってこいなんだ。

 IF関数は、Excelの関数の中でも最も基本的な関数だから、必ず覚えておく必要があるんだ。簡単な例でIF関数がどうなっているかみてみよう。

 下図は、各月の金額合計が「月売上目標」の「800,000」を達成したかどうかを各月の金額合計の下に表示しようというもので、セル「D7」にIF関数を使った計算式を入力して、それをセル「F7」「H7」に複写するという意味なんだよ。

 入力する計算式の内容は、図の下に書いてある
   =IF(D6>=$B7,"達 成","未達成")
 これでは、なんのことかよく分からないよね。この図の次の図で内容を説明するね。



2 IF関数の書式

Shun:IF関数は、セルの値や計算式が、『指定された条件(論理式)』が成立するときは『 True(真の場合) 』の引数を実行し、成立しないときは『 False(偽の場合) 』の引数を実行して、その結果を返すという機能なんだ。


Shun:ExcelのヘルプでIF関数の書式を見ると、

 IF(論理式,真の場合,偽の場合) 

となっている。()内が引数で、それぞれの引数には名前が付けられていて「 ,(カンマ)」によって区切られている。要するに関数の「書式」というのは、「関数名と使用する引数を決まった並び順で表したもの」で、引数は関数の機能によって、決められた種類の値を使わなければならない。というものなんだね。

優子:先生、そうすると、引数に使う値の順番を間違えると、全く違った答えがでてしまうか、計算ができなくなってしまうことにもなるから、気をつけないとね。

Shun:そうだね。じゃあ、IF関数のの引数の意味を表にして説明するね。


3 引数の意味

IF(D6>=$B7,"達 成","未達成") の計算式の意味

引数名 引数の値

意          味

論 理 式 D6>=$B7 条件を指定します。条件には比較演算子を用います。
この図では、条件は、[セル「D6」の値は、セル「$B7」の値以上]という意味になります。
式には、「月売上目標」の値が入力されているセルを各月の計算式から参照するため、列番号を固定しています。
真の場合 "達 成" 論理式の条件を満たしている(成立する)ときに実行される引数。
この図では、「達 成」という文字を計算式入力セルに表示します。(値が文字列の場合は文字の両側を「" "」で囲みます。)
偽の場合 "未達成" 論理式の条件を満たしていない(成立しない)ときに実行される引数。
この図では、「未達成」という文字を計算式入力セルに表示します。(値が文字列の場合は文字の両側を「" "」で囲みます。)

Shun:上の表を見ると、引数には、関数の内容によっては数値や文字のほかに計算式も使用するっていうことが分かるね。
  
優子:先生、それと、さっきの話だけれども、「真の場合」と「偽の場合」の値を入れ間違えると答えが逆になってしまうね。

Shun:そうだね。一度、答えを確かめてみようか。


Shun:上の図で、セル参照をしている式をセルの値に置き換えると、

 =IF(D6>=$B7,"達 成","未達成")
        ↓
 =IF(794000>=800000,"達 成","未達成")

という式になり、論理式は「794,000 は 800,000 以上」という意味になる。794,000 は 800,000 より小さいので、この論理式は成立しないから、「 False(偽の場合) 」の引数の値「未達成」が答えとして返ってくることになるんだ。

 同じように、セル「F7」に計算式が入力されているものとして、セル参照をしている式をセルの値に置き換えると、

 =IF(F6>=$B7,"達 成","未達成")
        ↓
 =IF(1092500>=800000,"達 成","未達成")

という式になり、1,082,500 は 800,000 より大きいので、この論理式は成立するから、「 True(真の場合) 」の引数の値「達 成」が答えとして返ってくることになる。

優子:実際に値を入れてみたら良く分かったわ。つまり、IF関数というのは、論理式が成立するかしないかによって、「真の場合」の引数が適用されたり「偽の場合」の引数が適用されたりするだけなんだぁ。これだったら、そんなに難しくないわ。



4 IF関数の入力方法

(1) IF関数を探す
  Shun:さて、それでは、セルに計算式を入力してみよう。前回の復習を兼ねて、ヘルプでIF関数を探すところから始めるね。まずは、関数入力するセル「D7」をクリックしてから「関数の貼り付け」ボタンをクリックして。


Shun:「関数の貼り付け」ダイアログボックスが表示されたら、ボックスの左下隅にある「ヘルプ」ボタンをクリック。


Shun:左のバルーンで「この機能についてのヘルプ」をクリックすると、右のバルーンが表示されるので、「検索」ボタンの上のキーワード入力ボックスに「条件判断」の文字を入力して、「検索」ボタンをクリック。

優子:でも、キーワードにどんな文字を入れたらいいのか、が難しいわね。

Shun:そうなんだ。できるだけ短い言葉の方がヒット率は高いみたいだよ。たとえば、「合計」「平均」「曜日」というようにね。いろいろ試してみることだね。

 あっ、そうそう、関数の名前をクリックすると「関数の分類(C)」の下に、関数の書式と関数の機能が表示されるから、目的に合った関数を見つけることができるよ。


Shun:指定したキーワードに近い関数があると、「関数の分類(C)」の中に「候補」という項目が表示され、右の「関数名(N)」一覧にキーワードに関係する関数名が表示されるので、関数名をクリックしてから「OK」ボタンをクリックする。


Shun:そうすると、上図のバルーンと「数式パレット」が同時に表示されるから、関数の詳しい指定方法を知りたいときは、バルーンの「選択した関数のヘルプ」をクリックすればいいんだよ。

 Excel画面の左上隅に上図の下にあるボタンが表示されたら、文字部分のところをクリックするとヘルプを参照することができる。これは前回やったとおりだね。

優子:このバルーンの説明は親切ね。「数式パレット」の折り畳みボタンの使いかたまで書いてあるわ。みんな、こういうふうに説明してくれるとありがたいんだけどなぁ。


(2) 数式パレットで論理式を入力


Shun:上図は、IF関数の数式パレットだよ。ここからがいよいよ本番というわけだ。
 まず、論理式から入力しよう。論理式入力ボックスの右端にある折り畳みボタンをクリックして。


Shun:図の左上隅に「IF」と書いてあるところがあって、その下の長い帯のようなところが「数式パレット」が折り畳まれた部分。赤い文字や青い文字でいろいろゴチャゴチャ書いてあるけど、この番号のとおりに操作すれば、論理式を入力することができるよ。

 分かりにくいかもしれないから、箇条書きにして説明するね。

1 まず、セル「D6」をクリックします。
2 数式パレットにクリックしたセルの名前が表示されます。
3 数式パレットのセルの名前の右に「 >= (以上という意味)」の演算子を入力します。
4 セル「B7」をクリックします。
5 数式バーにクリックしたセルの名前が表示されたら、パソコンのキーボードにある「F4」キーを3回クリックすると、「B7」の文字が「$B7」に変わる。(「F4」キーを押すたびにセルの参照方法を変えることができます。・・・図では列番号が絶対参照、行番号が相対参照になっています。)
6 折り畳みボタンをクリックして、「数式パレット」を元の大きさに戻します。

優子:折り畳まれた「数式パレット」には、セルをクリックやドラッグしてセル参照の結果を入力するだけじゃなくて、直接、文字や計算式を入力することもできるのね。

Shun:そうだよ。だから、セルを参照をしない場合は、「数式パレット」を折り畳まなくても、元の大きさの状態で入力すればいいよ。


(3) 「真の場合」「偽の場合」の引数の値を入力


Shun:元の大きさの「数式パレット」の「論理式」入力ボックスに、いま入力した結果が入力されているね。

 次は、「真の場合」の引数の値を入力するよ。入力ボックスをクリックして「達 成」という文字を入力する。図では、文字の両側に「" "」マークがついているけど、引数が文字列の場合は自動的に付けられるんだ。

 最後に「偽の場合」の引数の値「未達成」を入力すれば、これでIF関数の指定はすべて完了。「OK」ボタンをクリックして。


(4) 数式の複写


Shun:関数の実行結果がセル「D7」に表示されているね。じゃあ、前回と同じように、いま入力した計算式をセル「F7」「H7」に複写して、下図のようになったら成功というわけだね。

 ちなみに、「月売上目標」の「800,000」という数字をいろいろ変えてみると、計算式の結果も変わってくるから試してみるといいね。

優子:ああ、そうかぁ、計算式の中の条件に使っている引数の値が変われば答えも自動的に変わるわけよね。早速試してみようっと。


Shun:優子さん、どう? IF関数は難しかった ?
 
優子:ううん、そんなことなかったよ。ちゃんと手順さえ守って指定すれば正しい答えが出てくるってわかったし、あとは、いろいろな条件式を作ったり「真の場合」「偽の場合」の引数の値を変えてみて、試してみると身に着くんじゃないかな。

Shun:そうだね。IF関数の指定方法は、これが基本だから、これさえ理解できれば、どんな複雑な計算式でもできるようになるよ。がんばってね。

 計算式には、一つだけの関数だけじゃなく、複数の関数を同時に使うことが多いし、いろいろな関数を組み合わせることによって、できないと思っていたこともできるようになるから、次回は、複数の関数を使用する計算式をやってみよう。

優子:先生、どうもありがとうございました。m(_ _)m ペコッ



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