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主婦のための Excel 入門講座

(Excelの計算式と関数の入力)

第2回 関数ってなに?

今回の主な内容 
1 関数とは
2 関数のしくみ
3 計算式に使う記号(演算子)
4 関数の入力方法
 (1) 関数入力セルの選択
 (2) 「関数の貼り付け」ダイアログボックスの呼び出し
 
(3) 関数名の選択
 (4) 引数の入力
 (5) 選択範囲の指定方法
 (6) 関数の入力完了
 
(7) 計算式の複写
5 ヘルプで関数を調べる



1 関数とは

Shun:さて、いよいよ関数だね。関数ってなんだかとっつき悪そうにみえるんだけど、どういう仕組みになっているかさえわかればそんなに難しいものじゃないんだよ。
 
優子:先生、そもそも「関数」ってなんなの。

Shun:ズハリときたね。そうだね、関数っていうのは、「引数という特別な値を使って、あらかじめ決められた計算方法・手順によって計算をする数式」とでもいえば分かり易いかな。
 関数の計算式で得られた結果を「戻り値」と呼んでいる。つまり「答え」のことだね。ところで優子さん、三角形の面積はどうやって求めるのかな?

優子:それは、「底辺×高さ÷2」 でしょ。

Shun:そうだね。三角形の面積計算の方法は決まっているよね。要するに関数はこのようにあらかじめ決められている計算式に名前を付けただけのものなんだ。

 ただし、関数の計算式は、計算内容、例えば「公式」みたいなものをすべて入力する必要はなくて、計算に使う値だけを指定すればいいから、それほど難しくはないよ。
 
 それから、関数は数学で使う計算だけじゃなくて、日付から曜日を計算したり、漢字から「ふりがな」を取り出したり、表の中から指定したデータのある場所を探したり、いろいろな種類があるんだよ。

優子:そうすると、関数は、表の計算だけじゃなくていろいろな用途に使えるって訳ね。だから、カレンダーの日付を年を指定しただけで自動的に表示させたり、住所録から指定した人の住所だけを取り出すこともできるのかぁ。なるほどね。


2 関数のしくみ

Shun:
それじゃあ、関数がどんな仕組みになっているかみてみよう。


Shun:これはね、「SUM」という合計計算をする関数の計算式を図にしたものなんだけど、どの関数も、関数の名前と「引数」と書いてあるところの内容が違うだけで、同じようなしくみになっている。下の表は関数のしくみをまとめてみたものなんだ。

優子:合計計算をするっていうのに、式の中に「+(プラス)」の記号がないわね。そうかぁ、計算方法があらかじめ決められているから、面倒な計算式を書かなくても計算する値を指定するだけで計算できゃうんだぁ。(゚ー゚)(。_。)ウンウン

関 数 の 各 部 の 名 称 と 意 味

記号等 名 前

意          味

= 等 号 関数の計算式の先頭には必ず「 = 」を入力します。
SUM 関数名 この図では「SUM」という関数名を使用しています。
関数の名前は、半角英数で入力します。
()の中 引 数 引数とは、「計算を実行するときに使う値や、計算方法の詳細などを決める値」のことをいいます。
計算に使う値は、関数の種類や内容によって、数値、文字列(普通の文字)、日付、時刻などの他、数値や文字列などの代わりにセル参照、セル範囲、名前(セル範囲に付た名前を登録したもの)が指定できます。
また、関数の引数として更に関数を組み込むこともできます。
, カンマ 引数の区切り記号。「引数分離記号」ともいいます。
引数と引数の間に入力します。
( ) かっこ 引数の両端は () かっこ でくくります。


3 計算式で使用する記号(演算子)

Shun:関数で計算式を作るときには、一般の計算式と同じように「演算子」という記号を使うんだけど、どんなものがあるか見てみよう。

算術演算子は、値の加減乗除などを行う記号。
演算子の分類
優先順位
演算子と呼び方
機        能
実 例
算術演算子 1  -(マイナス) 負号(マイナス記号) -5
2  % (パーセント) パーセンテージ(百分率) 30%
3  ^ (キャレット) べき乗(自乗) 2^(2*2)
4  * (アスタリスク) 乗算(掛け算) 2*2
 / (スラッシュ) 除算(割り算) 4/2
5  + (プラス) 加算(足し算) 2+2
 - (マイナス) 減算(引き算) 4-2

参照演算子は、セル参照やセルの範囲を指定するときに使用する記号。
演算子の分類
演算子
機            能
実 例
参照演算子

:(コロン)

2つのセル番地の間に入力して、その2つのセルを含めた「セル範囲」の参照を指定します。
連続している複数のセル範囲を指定するときに使用します。( : の左側のセルから : の右側のセルまでの連続した範囲という意味)
実例ではセルA1を左上隅、D5を右下隅とするセル範囲を指定しています。
(A1:D5)
,(カンマ) 複数のセル番地の間に入力することで、セルの複数選択の参照を指定する。
主に飛び飛びに離れている複数のセルを指定するときに使用します。( , の左側のセル , の右側のセルという意味)
実例では、セルA1とA5を指定しています。
(A1,A5)

文字列演算子は、文字列と文字列を結合して1つの文字列にする記号。
演算子の分類
演算子
機            能
実 例
文字列演算子 & (アンパサンド) 文字列の結合
実例では文字列AとBを結合して、ABという文字列にしています。
A&B・・AB

比較演算子は、値と値を比較する記号。「IF関数」の条件式などに使用されます。
演算子の分類
演算子
機            能
実 例
比較演算子 = (等 号) 左辺と右辺が等しい A1 = B1
< (未 満) 左辺は右辺より小さい A1 < B1
> (超える) 左辺は右辺より大きい A1 > B1
<= (〜以下) 左辺は右辺以下 A1 <= B1
>= (〜以上) 左辺は右辺以上 A1 >= B1
<> (不等号) 左辺と右辺が等しくない A1 <> B1


4 関数の入力方法

(1) 関数入力セルの選択
Shun:これから、関数の入力方法について解説しよう。まずは最も簡単な足し算の計算方法を題材にして説明するね。番外編(1)で使った表に「合計」の関数を入力する方法だよ。

 合計には「SUM」という関数を使うから、指定のしかたを良く見ていてね。計算式にはセル参照を使って、

 =SUM(D3:D5)

という計算式を入力しよう。セル D3 から D5 までの範囲のセルの値を合計しなさいっていう意味だよ。


Shun:表の「1月」の「金額」欄の下に合計金額を入力してみよう。関数を使った計算式を入力するときも、まず、計算式を入力するセルをクリックする。これは、どんな操作でも基本だね。

優子:なにはともあれ、まず「どこで」が大切というわけね。


(2) 「関数の貼り付け」ダイアログボックスの呼び出し
Shun:関数を入力するときは、「関数の貼り付け」というボタンをクリックすると関数を指定するためのウインドウ(ダイアログボックス)を表示させることができる。


Shun:音楽の「フォルテ」のような記号とその右に「x」の文字が組み合わさったようなボタンが「関数の貼り付け」ボタンだよ。そこをクリックしてみて。ああ、そうだ。これはExcel2000の画面だから、Excel2002の場合だと、数式バーのところにあるよ。



(3) 関数名の選択
Shun:上図が「関数の貼り付け」ダイアログボックス。関数の種類は300以上もあるから、同じような性格のものを分類して名前をつけた一覧が「関数の分類(C)」に表示されている。

 そして、その中の項目の一つを選んでクリックすると、その項目に含まれる関数名の一覧が「関数名(N)」に表示されているので、使用する関数名をクリックすると、関数の分類(C)」欄の下に関数の書式と機能が表示されるんだ。

優子:先生、Excelをよく知ってる人はすぐ目的の関数の名前を見つけられるかもしれないけど、慣れないうちは、関数の分類がどうなっていて、どういう名前の関数を使えばいいのか、がわからないと思うけど・・・

Shun:そんなときは画面の左下隅にある「ヘルプ」ボタンを押して調べることができるよ。調べ方はあとで説明するね。

 今回使う「SUM」関数は、「数学/三角」という分類項目の中にあるので、項目名をクリックして「関数名(N)」欄から「SUM」を探してクリックする。そうすると関数の書式と機能の内容が下のように表示されたね。

 SUM(数値1,数値2,....)
 引数の合計を返します。

 ()の中にある「数値1」「数値2,....」というのが引数の種類を示している。つまり、引数には「数値」を指定してください。数値は1つだけじゃなく、数値2,3,...というように複数指定できますよ。という意味なんだ。
 
 もちろん、引数には数値だけじゃなくて、数値が入力されているセルやセル範囲(複数の連続したセル)を参照することもできるんだ。そして、引数に指定されたすべての数値を合計した結果を計算式入力セルに表示する、というのが「SUM」関数の意味なんだよ。

優子:へぇ〜〜、そうなんだ。


(4) 引数の入力
Shun:では、次の画面へいってみよう。「OK」ボタンをクリックして。


Shun:数式バーの下(画面左上隅の下側にある「SUM」というところから下)が、「数式パレット」といって、この画面で引数を指定するんだよ。この図ではExcelが自動的に合計範囲を感知して、すでに「数式1」の引数入力ボックスに合計範囲が表示されている。このままでよければ「OK」ボタンをクリックするだけでいい。

この画面を表にして説明するね。

画面の部位 説          明
SUM 現在の関数名を表しています。
「数式1」の右 引数入力ボックス。ここで引数を入力します。
ボックスの右端にある赤いボタンをクリックすると数式パレットが折り畳まれ、セル参照やセル範囲の指定を行うことができます。(次項を参照)
引数入力ボックスの右の数字は、引数の値(この場合は、合計範囲内の個々のセルの値が表示されています。)
「数式2」の右 2つ目の引数入力ボックス。引数が複数ある場合に入力します。(機能は「数式1」の入力ボックスと同じです。)
引数入力ボックスの右の「数値」という文字は、数値タイプの引数を入力しなさいということを意味しています。
「数値」の文字の下 「SUM」関数の計算結果としての引数の合計
上記の下の説明文 引数は、30個まで指定できることを示しています。
「数値2」に引数を入力すると、自動的に「数値3」の引数入力ボックスが表示され、同様に引数30までの処理を行うことができます。

Shun:いま入力している「SUM」関数は、画面のようにすでに計算範囲が自動的に入力されてしまっているから、「OK」ボタンをクリックすれば計算式が入力されてしまうんだけど、参考のために、数式パレットの折り畳みボタンの使い方を説明しよう。じゃあ赤いボタンをクリックしてみて。


(5) 選択範囲の指定方法


Shun:数式バーの下にある白い帯のようなところが「数式パレット」を折り畳んだときの画面で、この状態のままシートの合計範囲のセルをドラッグすると、選択範囲のセルの名前が「数式パレット」に表示される。そうしたら右端の赤いボタンをクリックすると、数式パレットが元の大きさに戻るんだ。

優子:数式パレットって便利なのね。いちいち手入力でセルの名前を入力しなくても、指定したい範囲をドラッグするだけで範囲指定ができるんだから、前もって計算するセル範囲を覚えておく必要がないんだもの。


Shun:これが引数の入力が終わったときの「数式パレット」の状態。「OK」ボタンをクリックすれば関数の指定は終わりだよ。


(6) 関数の入力完了


Shun:表を見てごらん。ちゃんと答えが表示されているね。あとは、これを2月と3月の金額合計欄に複写すれば出来上がりだね。

(7) 計算式の複写
Shun:複写するときに、簡単にできる方法を教えてあげる。まず、いま計算式を入力したセルを右クリックするとショートカットメニューが表示されるから、「コピー(C)」をクリックする。

 次に、2月の金額合計欄を右クリックしてショートカットメニューが表示されたら、今度は「貼り付け(P)」をクリックすると合計金額が表示されたね。そしたら、3月の合計欄を右クリックして同じように「貼り付け(P)」をクリックすると3月の合計金額も表示される。どう? 簡単でしょ。

優子:先生、複写するときはその都度、複写元で「コピー」をやって、複写先で「貼り付け」をやらんくてもいいの?

Shun:そうだよ、いったんコピーしたデータは「クリップボード」というところに保管されるから、同じデータを連続して何度でも貼り付けることができるんだ。

優子:いろいろな複写の方法があるのね。ところで先生、最初の計算式のところが点線の枠のような形でギラギラしているんだけど、どいう意味?

Shun:ああ、あれはね、この状態になっているときはまだコピーできますよ、という意味なんだ。パソコンのキーボードにある「Esc」キーを押すと消えるよ。

優子:そういう意味ね。納得。



5 ヘルプで関数を調べる


Shun:さきほどお約束した、関数の詳細説明の見方と、目的に合った関数の名前を探す方法を説明するね。ただし、これは Excel 2000を使った場合の画面だから、他のバージョンのExcelでは内容が違うからね。

 まず、「関数の貼り付け」ボタンをクリックして、「関数の貼り付け」ダイアログボックス(下図)を表示させる。


Shun:そのままの状態で画面の左下隅にある「ヘルプ」ボタンをクリックすると、アシスタントのバールーン(左下図)が表示される。


Shun:左図の「この機能についてのヘルプ」をクリックすると、右図のバルーンが表示されるから、すでに関数が選択されていて、引数の指定方法などの詳細を調べるときは、「選択した関数のヘルプ」をクリックする。


Shun:Excel画面の左上隅に上図のアイコンボタンが表示されたら、文字が書かれている付近をクリックすると、選択した関数の詳細な説明が表示される。

  また、どんな関数をつかったらいいか分からないときは、「検索」の上のボックスに調べたい関数の機能を表す言葉、例えば、合計を行う関数だったら「合計」の文字を入力すればいいんだ(左下図)。

 そうすると入力した言葉の機能に近い関数名の候補が「関数の貼り付け」ダイアログボックスに表示される。


Shun:今日の講座はこれでおしまい。つぎは、別の関数、そうだね「SUM」関数に負けず劣らずよく使われる「IF」関数について説明しようかな。「IF」関数は、いろいろな条件があるときに処理内容を選択することができる関数だから、是非覚えてほしいね。
 優子さん、今日はお疲れさまでした。

優子:先生、どうもありがとう。今日のところはなんとか理解てきたみたい。いつも先生に言われるから先に言っちゃうけど、何度も繰り返してやってみたいといけないようね。落ちこぼれないようにがんばるわ。



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